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WESTERN MUSIC ON SHINOBUE

ソナタ イ長調 K.208Sonata K.208

Domenico Scarlatti(1685–1757) ドメニコ・スカルラッティ
Sonata in A major, K.208 (L.238) / 鍵盤楽器のためのソナタ

ソナタ イ長調 K.208の絵
フランチェスコ・バッタリオーリ『アランフエスの庭園のフェルナンド6世とバルバラ王妃』1756年
作曲
1750年代はじめまでに(1753年の筆写譜集に収められている)
原曲の編成
チェンバロ(鍵盤楽器)独奏
調・拍子
イ長調・4分の4拍子・Adagio e cantabile(ゆっくり、歌うように)
この楽譜
Pierre Gouin 校訂(2013年、IMSLP、CC BY-SA 4.0)の右手を笛、左手を伴奏にした

楽譜

標準の運指(一=ド)で書いています。笛だけで吹くなら、何本調子の笛でも同じ指で吹けます(鳴る高さは、笛によって変わります)。ピアノやギターと合わせるときは、一 がドに近い笛(目安として八本調子前後。笛によって違います)を使うか、伴奏の調を笛に合わせてください。

楽譜 1ページ目楽譜 2ページ目
⎙笛の楽譜(PDF)A4・2ページ ⎙ピアノ伴奏付きの楽譜(PDF)A4・3ページ ⎙ギター伴奏付きの楽譜(PDF)A4・4ページ ⎙曲目解説(PDF)印刷して、楽譜に添えて
運指の読み方
一 二 三 … 七
呂音(りょおん。低い音)
1 2 3 … 7
甲音(こうおん。一段高い音)。呂と同じ指で、息を強めます
点の付いた 2・3、8
大甲(だいかん。さらに高い音)。8 は大甲のド
数字の右上の ×
半音下げる指づかい(穴の一部を塞ぐ)。塞ぐ量は運指表をご覧ください
赤い ↑ ↓
その音だけ1オクターブ上げて/下げて吹く(笛の音域に収まらない音)
筒
筒音(すべての穴を塞ぐ)

お稽古用の音源

伴奏に合わせて吹くための、コンピュータで鳴らした音源です。「笛の旋律入り」で旋律を覚え、「伴奏だけ」で合わせて吹いてみてください。高さは A=440Hz で、このページの楽譜(標準の運指)と同じ調です。古典調の篠笛では、一 がおよそドの八本調子前後の笛の高さにあたります(笛によって違います)。その笛なら、音源に合わせてそのまま吹けます。楽譜の繰り返しも、そのとおりに演奏しています。

音源
笛の旋律
速さ
合う笛八本調子前後(古典調)一 がおよそドの笛
この音源を保存(MP3)

音源は、MuseScore Studio の音色(Muse Sounds)で、楽譜から作りました。藤舎名玄の演奏ではありません。

作曲者

ドメニコ・スカルラッティは、ナポリに生まれたイタリアの作曲家です。父アレッサンドロも名高いオペラ作曲家でした。バッハ、ヘンデルと同じ1685年の生まれで、若いころローマでヘンデルとチェンバロとオルガンの腕比べをしたという逸話が伝わっています。

リスボンの宮廷で、ポルトガルの王女マリア・バルバラにチェンバロを教え、1729年に王女がスペインの王子に嫁ぐと、ともにスペインへ移りました。以後、マドリードの宮廷で生涯を過ごし、王女(のちの王妃)のために、1楽章だけの短いソナタを数多く書きました。カークパトリックの作品目録では、その番号が555まであります。

曲の成り立ち

スカルラッティのソナタの多くは、晩年にスペインで書き写された筆写譜集によって伝わっています。K.208 は、ヴェネツィアのマルチャーナ図書館にある筆写譜集の、1753年の巻に収められています。

ソナタはふつう、同じ調の2曲が組になって並べられています。K.208 は、続く K.209(イ長調、快活な曲)と組になると考えられ、ゆっくりした歌のあとに、明るく速い曲が続きます。

スペインで暮らしたスカルラッティのソナタには、ギターをかき鳴らすような和音や、スペインの民謡を思わせる響きがよく現れます。この曲がギターで弾かれることが多いのも、そのためです。

曲調と聴きどころ

左手が4分音符で静かに歩むような伴奏を刻み、右手がその上で、装飾をちりばめた歌を歌います。チェンバロの曲ですが、題のとおり「歌うように」書かれていて、笛やヴァイオリンで歌うのにもよく合います。

前半は、イ長調からホ長調へ向かい、後半は、遠い調を巡りながら、ためらうような和音(減7の和音など)を経て、イ長調に戻ります。13小節と25小節の終わりの、トリルの付いた結びが聴きどころです。

曲の流れ

小節の番号は、このページの楽譜の小節番号です。

小節内容
1〜4主題。前打音(小さな音符)の付いた、ため息のような歌い出し
5〜1316分音符の細かい動きで、ホ長調へ向かって高まる
14前半の終わり(ホ長調)。くり返す
15〜19後半。b' のトリル(tremulo)から始まり、遠い調を巡る
20〜24ためらうような和音を経て、イ長調へ戻る
25トリルの付いた結びで、静かに終わる。後半をくり返す

Pierre Gouin 校訂(2013年、IMSLP、CC BY-SA 4.0)の右手を笛、左手を伴奏にした