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WESTERN MUSIC ON SHINOBUE

アダージョAdagio

Johann Sebastian Bach(1685–1750) ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
Sonata No. 1 in g minor for Solo Violin, BWV 1001 / 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 より 第1楽章

アダージョの絵
作曲
1720年までに(ケーテン時代)
原曲の編成
ヴァイオリン1本(無伴奏)
調・拍子
ト短調・4分の4拍子。全22小節、演奏にはおよそ4分かかる
この楽譜
Mutopia Project(Hajo Dezelski 浄書、CC BY-SA 3.0)の楽譜の、いちばん上の旋律に篠笛の運指を付記

楽譜

標準の運指(一=ド)で書いています。笛だけで吹くなら、何本調子の笛でも同じ指で吹けます(鳴る高さは、笛によって変わります)。

楽譜 1ページ目楽譜 2ページ目楽譜 3ページ目
⎙笛の楽譜(PDF)A4・3ページ ⎙曲目解説(PDF)印刷して、楽譜に添えて
運指の読み方
一 二 三 … 七
呂音(りょおん。低い音)
1 2 3 … 7
甲音(こうおん。一段高い音)。呂と同じ指で、息を強めます
点の付いた 2・3、8
大甲(だいかん。さらに高い音)。8 は大甲のド
数字の右上の ×
半音下げる指づかい(穴の一部を塞ぐ)。塞ぐ量は運指表をご覧ください
赤い ↑ ↓
その音だけ1オクターブ上げて/下げて吹く(笛の音域に収まらない音)
筒
筒音(すべての穴を塞ぐ)

お稽古用の音源

笛の旋律を、コンピュータで鳴らした音源です。高さは A=440Hz で、このページの楽譜(標準の運指)と同じ調です。古典調の篠笛では、一 がおよそドの八本調子前後の笛の高さにあたります(笛によって違います)。繰り返しは省いて、1回通して演奏しています。

速さ
合う笛八本調子前後(古典調)一 がおよそドの笛
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音源は、MuseScore Studio の音色(Muse Sounds)で、楽譜から作りました。藤舎名玄の演奏ではありません。

作曲者

ヨハン・ゼバスティアン・バッハは、ドイツ中部のアイゼナハに、代々音楽家を出した家に生まれました。ヴァイマルの宮廷オルガニスト、ケーテンの宮廷楽長を経て、1723年からはライプツィヒの聖トーマス教会のカントル(音楽監督)を務め、その地で生涯を終えました。

ケーテンの宮廷(1717〜23年)は、礼拝に手の込んだ音楽を用いない改革派の宮廷だったため、バッハはこの時期、器楽曲に力を注ぎました。無伴奏ヴァイオリンや無伴奏チェロのための曲、『ブランデンブルク協奏曲』、『平均律クラヴィーア曲集』第1巻などは、この時期に生まれています。

生前は、作曲家としてよりも、オルガンの名手として知られていました。没後はしばらく忘れられましたが、1829年にメンデルスゾーンが『マタイ受難曲』を蘇演したことをきっかけに、19世紀に再評価が進みました。

曲の成り立ち

1720年にケーテンで清書された自筆譜『伴奏の低音なしの、ヴァイオリンのための6つの独奏曲』(Sei Solo à Violino senza Basso accompagnato)に収められた曲です。ソナタ3曲とパルティータ3曲が交互に並び、重音や分散和音を使って、1本のヴァイオリンで旋律と和声の両方を表すように書かれています。

ソナタ第1番は、遅い・速い・遅い・速いの順に4つの楽章を並べた、教会ソナタの形で書かれています(アダージョ、フーガ、シチリアーナ、プレスト)。このアダージョは6曲全体の最初の楽章で、自筆譜の最初のページに書かれています。自筆譜は、バッハの清書の中でも、とりわけ整った美しい筆跡で知られています。

ト短調の曲ですが、自筆譜では調号を♭1つで書き、もう1つの♭(ミ)は、そのつど臨時記号で書いています。古い教会旋法の書き方が残っていた時代の習慣で、この楽譜もそれにならっています。

曲調と聴きどころ

拍の頭に重音の和音を置き、その間を32分音符や64分音符の細かな旋律が、即興のように流れていきます。当時、遅い楽章では、奏者が旋律に即興で飾りを加えるのが普通でしたが、バッハはその飾りまで、すべて音符で書き込んでいます。

笛では和音は吹けないので、いちばん上で鳴っている旋律に運指を付けました。細かな音符は、拍の頭の音をはっきりと、その間の音は流れるように軽く吹くと、旋律の骨組みが聞こえてきます。急がず、息の流れの中で、ひとつの長い歌として吹いてください。

曲の流れ

部分内容
はじまりト短調の主和音を響かせ、その上から、細かな音が流れ下りる。この始まり方が、曲全体の性格を決めている
中ほど和音と細かな走句をくり返しながら、♭の多い遠い調へと深く入り込んでいく。拍の頭の和音の、低い音の動きをたどると、調の移り変わりがわかる
終わりふたたびト短調に戻り、フェルマータの付いたト短調の和音で、静かに閉じる。このあと、同じト短調のフーガが続く

Mutopia Project(Hajo Dezelski 浄書、CC BY-SA 3.0)の楽譜の、いちばん上の旋律に篠笛の運指を付記